「新しい価値」を見いだすパッケージデザインアイディア

かわいいデザイン
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最近は健康に配慮した食品や飲み物が、各メーカーから数多く発売されています。その背景には、やはり消費者自身における“健康志向”の高まりがあることでしょう。「どうせなら健康的なものを食べたい」という方は多いようです。

しかし同じように健康へ配慮された製品が並ぶと、結局どれを選ぶか迷ってしまうかもしれません。成分等で比較することは可能ですが、1つ1つ手にとってチェックするのは手間になるはず。そのため、見た目のデザインで決めるという方は少なくないでしょう。今回ご紹介するカゴメ『リフレッシュ スクィーズ』は、そんなとき、つい手に取ってしまいたくなるデザインかもしれません。

パッケージデザインの紹介

野菜ジュースをはじめ、さまざまな食品や飲料を販売しているカゴメ。これまでに同社の製品を購入したことのある方は多いでしょう。そんなカゴメが美容・健康に配慮した新商品『リフレッシュ スクィーズ』を販売しています。

パッケージは黄色やピンクなどの鮮やかな色合が組み合わさり、まるでカットされた宝石のようなデザインが施されています。そのデザインは何種類かに分かれており、付属する黄色いストローとベストマッチ。遠目にも目を引く、可愛らしいパッケージと言えるでしょう。公式ホームページには、製品パッケージに関する以下のようなコピーが書かれています。

「おしゃれで気分が上がる野菜・果実ミックス飲料」
「ココロおどる!持っても楽しい、気分上がるデザイン」

カゴメ公式サイトより抜粋 )

このコピーからも、『リフレッシュ スクィーズ』が中身だけでなくパッケージデザインにもこだわって開発されたものだということが伺えます。

このパッケージデザインに関する個人的見解

鮮やかなデザインは、それだけで気分を晴れやかなものにしてくれそうです。これは、飲料として栄養面での健康だけでなく、その見た目から“心の健康”にも配慮したものではないでしょうか。特に女性なら、カバンの中にも『リフレッシュ スクィーズ』が入っているだけで、ちょっとウキウキした気分になれそうです。

また、その写真栄えしそうなパッケージデザインは、購入したらつい写真を撮ってSNSなどに投稿したくなりそう。その可愛さについて、やはりSNSでも次のように数多くの投稿が見られました。

「パッケージ可愛い!「元気の原石」っていうコンセプトも良い!!パケのデザインがちょっとずつ違うのも可愛い」(@junjokinema)
「カゴメさんLOHACO限定商品「Refresh Squeeze」がついに発売スタート、特設サイトに秋のデザインウィークで制作させてもらったアニメーションも載せてくださっています。かわいいパッケージはやっぱりテンション上がるよね」(@chocochop)
「フォトジェニック野菜ジュース….!!!」(@reaci)
「これ可愛い。」(@kazukimori)

デザインが複数種類あるため、まとめ買いしてしまう人も多いのではないでしょうか。冷蔵庫を開けて『リフレッシュ スクィーズ』がずらりと並んでいたら、ちょっと楽しい気分になれそう。朝の通学・出勤前なら、デザインを眺めつつ「今日はどれにしようかな」なんて目移りして悩んでしまうかもしれません。ちなみにカゴメの公式ホームページでは、このパッケージデザインについて次のように解説されています。

「「元気の原石」をコンセプトに「宝石」をイメージしています。従来の‘’野菜ジュースをのんでいます!’’とわかるようなパッケージではなく、野菜ジュースを飲んでいる強制感を排除し、飲んでいるその姿がオシャレ、持ち歩きたい、デスクに置いておきたいと思えるようなパッケージにしました。 5つのこだわりを随所にちりばめ、女性のココロ(私のココロ)をくすぐる仕掛けをし、小さなトキメキを添えています。」

カゴメ公式ホームページ

持ち歩いたりデスクに置いたり。「いつもそばに持っていたい」と思えるパッケージデザインにすることで、健康的な生活をより身近に感じてもらいたいという願いが込められているのかもしれません。

このパッケージデザインから学べること

今回ご紹介した『リフレッシュ スクィーズ』から、パッケージデザインの新しい価値を見いだすことができます。

『リフレッシュ スクィーズ』のパッケージデザインは、ソーシャルメディアでも「可愛い」と非常に評判ですが、もともと野菜ジュースはその名の通り、「健康」というイメージが非常に強い商品です。

そのため、健康色を打ち出したパッケージデザインでも当然よいのですが、今回の『リフレッシュ スクィーズ』のデザインは、「元気の宝石」をコンセプトにしたデザインになっています。

そのコンセプトの狙いは、公式ホームページにもあるように、下記のような狙いがあります。

(1)野菜ジュースを飲んでいるというパッケージからの脱却
(2)野菜ジュースを飲んでいるという強制感の排除
(3)飲んでいる姿がおしゃれで持ち歩きたい、デスクに置きたいと思えるパッケージ

この狙いを紐解いていくと、「野菜ジュースは飲まされているわけではなく、持ち歩きながらおしゃれに可愛く飲むもの」と消費者にアピールしたいのではないかと推察できます。

そうなると、このパッケージデザインは、「野菜ジュースをおしゃれに持ち歩く」という価値を付加しているデザインと言えます。自宅で一人で飲むのではなく、通勤・通学途中におしゃれに飲む、デスクの上に置き休憩中に飲むなど、みんなで楽しく飲むという価値を付加しているのです。

パッケージデザインというのは、売り場のアイキャッチ力を高めることや、商品の特性・こだわりを伝えること、購入者の利便性を高めることなどいろいろなデザインによる価値があります。

ですが、今回は、「持ち歩きにくかった商品」を「持ち歩きやすくする」という新しい価値を付加していることになります。

この持ち歩くことにより、「口コミ効果の増大」、「野菜ジュースを飲むシーンの増加による消費量増加」などが期待でき、販促効果としても成果がでてくるのではないでしょうか??

あなたの担当する商品のパッケージデザインも、「持ち歩く」のように新しい価値を付加できないか、検討してみてはいかがでしょうか?

捨てられるパッケージを捨て難くするや、保管しにくいパッケージを保管しやすくするなど、今までの概念を見直しして、アイディアを出してみると良いかと思います。